業務効率化を進めているはずなのに、なぜか自分の仕事だけ増えていく。
新しいツールが入り、会議は減ったはずなのに、気づけば対応事項は増え、責任も重くなっている。
そんな違和感を感じたことはありませんか。
業務効率化は本来、仕事をラクにするためのもの。
そう理解している人ほど、「なぜ自分だけ楽にならないのか」と考え込み、消耗していきます。
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業務改善の成果は、まず組織に還元される
前提として押さえておきたいのは、業務効率化の成果は個人ではなく、組織単位で回収されるという点です。
業務プロセスが整理され、無駄が減り、スピードが上がる。
その結果として会社は、
・同じ人数でより多くの仕事ができる
・人を増やさずに事業を回せる
・リスクを減らし、安定的に運営できる
ようになります。
これは会社にとっては合理的で、健全な話です。
ただしその成果が、必ずしも「個人が楽になる」という形で現れるとは限りません。
むしろ現実には、効率化によって浮いた余力に新しい仕事が乗り、結果として「できる人」「回せる人」に負荷が集中することも珍しくありません。
一従業員が、全体最適の成果まで背負う必要はありません。
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これは個人の努力不足ではなく、構造の問題
ここで注意したいのは、この状況を個人の姿勢や努力の問題にすり替えないことです。
業務効率化は、誰かを楽にするためというより、組織全体を安定的に回すための仕組みとして設計されています。
その過程で、
・負荷が下がる人もいれば
・仕事が集まる人もいる
・評価される人もいれば、そうでない人もいる
こうした差が生まれます。
これは能力や意識の高低というより、役割配置や評価制度、組織構造の問題です。
ここを個人の問題として抱え込むと、「もっと頑張らないといけないのではないか」「自分のやり方が悪いのではないか」と、必要以上に自分を削ることになります。
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業務改善との距離感を捉え直す
では、どう向き合えばよいのでしょうか。
一つの考え方は、会社全体の業務効率化を自分の責任だと捉えないことです。
それは本来、経営や組織設計の領域に属する話です。
もし業務改善が評価基準に含まれているのであれば、その範囲で、見える形で対応すれば十分です。
完璧を目指す必要はありません。
一方で、「自分が楽になること」を目的にするなら、手を入れるべきは自分の業務領域だけです。
自分が毎日触れている作業、判断、連絡。
そこを小さく整える方が、体感としての負荷は確実に下がります。
全体最適と個人最適は、切り分けて考えて構いません。
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おわりに
ここまで書いてきたことは、一つの見方にすぎません。
合わなければ、ここで閉じてください。
ただ、もし「業務効率化で、そこまで追い詰められる必要はないのかもしれない」と少しでも感じたなら、この記事は役割を果たしたと思っています。
業務改善にどう向き合うかは、立場や価値観によって違います。
大切なのは、無自覚に消耗し続けないことです。
Photo by Sean Pollock (@seanpollock) on Unsplash


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